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IEC 61850 — 変電所自動化 (MMS)

IEC 61850 は変電所 (substation) 自動化の国際規格です。変電所内の IED (Intelligent Electronic Device) — 保護リレー、Merging Unit、遮断器コントローラ — が共通データモデルで通信します。このゲートウェイは IEC 61850 の MMS (Manufacturing Message Specification) 部分を使用します。

運用ガイド

ゲートウェイの IEC 61850 ドライバは MMS associate + Read (polling) を提供するため、IED の状態値/測定値を周期的に収集するモニタリング用途にそのまま使用できます。 さらに Reporting (BRCB/URCB)、GOOSE、Sampled Values、select-before-operate、SCL ファイルベースの自動マッピング が必要な場合は 開発チームへお問い合わせ ください。


登録フォームの入力値

入力欄記入内容
IP アドレスIED の IP192.168.0.130
ポートMMS ポート102 (標準 ISO-on-TCP)
応答タイムアウト (request-timeout)応答待ち時間 (ms)5000

IEC 61850 には標準として個別のユーザー/パスワードはなく、IED 側で「MMS 通信を許可」する設定を有効にする必要があります (メーカー別ツール: ABB PCM600、SEL AcSELerator、Siemens DIGSI など)。


タグの PLC アドレス表記

IEC 61850 のデータは オブジェクト指向のツリー 構造です。

LD (Logical Device) / LN (Logical Node) . DO (Data Object) . DA (Data Attribute)

ゲートウェイではスラッシュ + ドル形式で入力します (61850-8-1 標準文法)。

表記意味
LD0/LLN0$ST$Mod$stValLD0 の Logical Node Zero、モード (status)
LD0/MMXU1$MX$A$phsA$cVal$mag$fA 相 (phase A) 電流測定値 (Float)
LD0/MMXU1$MX$PhV$phsA$cVal$mag$fA 相電圧
LD0/MMXU1$MX$Hz$mag$f周波数
LD0/MMXU1$MX$TotW$mag$f総有効電力
LD0/XCBR1$ST$Pos$stVal遮断器 1 の位置 (open/close)
LD0/PTRC1$ST$Tr$general保護 trip 信号

よく使う Logical Node の略称

LN意味
MMXU測定値 (電流/電圧/電力 — 最も多く読み取る)
XCBR遮断器 (Circuit Breaker)
XSWI断路器
PTRCProtection Trip
LLN0Logical Node Zero (全体状態)
GGIO汎用入出力 (ユーザー定義)

CDC (Common Data Class) の主要な DA

DA意味
stVal状態値 (boolean / enum)
mag.ffloat 測定値
mag.iinteger 測定値
qquality flag
ttimestamp
general一般 trip 信号 (Boolean)

データ形式のマッチング

種類データ形式形式補助
stVal (Bool / enum)Boolean または Integer(空欄)
mag.f (測定値)FloatREAL
mag.i (整数測定値)IntegerDW
timestamp (t)String(空欄)

よくある問題と解決

症状考えられる原因解決
「Association rejected」IED の MMS が無効、または ACSE 認証を要求IED 設定で MMS を有効化、認証を off (可能であれば)
「Object not found」LN/DO/DA パスの誤りIED の SCL (.icd / .scd) ファイルで正確なパスを確認
値が読めない (FCD only)Functional Constraint の指定漏れ$ST$$MX$$CF$ などの FC を明示
値が stale現行ドライバは polling ベース — IED の push reporting を受信しないtimecycle を短く (1〜5 秒) 設定、または reporting 連携が必要な場合は別途お問い合わせ

よく使う IED 別の実マッピング例

SEL-451 (Schweitzer 保護リレー)

154kV / 22.9kV 変電所で最も多く使われる IED の一つです。SCL の dataset.icd には通常、次のように定義されます。

タグ名アドレスデータ形式
A 相電流LD1/MMXU1$MX$A$phsA$cVal$mag$fFloat
B 相電流LD1/MMXU1$MX$A$phsB$cVal$mag$fFloat
C 相電流LD1/MMXU1$MX$A$phsC$cVal$mag$fFloat
A 相電圧LD1/MMXU1$MX$PhV$phsA$cVal$mag$fFloat
周波数LD1/MMXU1$MX$Hz$mag$fFloat
総有効電力LD1/MMXU1$MX$TotW$mag$fFloat
遮断器 1 の位置LD1/XCBR1$ST$Pos$stValInteger (1=open, 2=close)
51P (過電流 trip)LD1/PTOC1$ST$Op$generalBoolean
50P (瞬時過電流 trip)LD1/PIOC1$ST$Op$generalBoolean

ABB REC615 (リレー + 遮断器制御)

タグ名アドレス
Bay 側測定CTRL/MMXU1$MX$...
Feeder 側測定MEAS/MMXU1$MX$...
Trip 信号PROT/PTRC1$ST$Tr$general
遮断器位置CTRL/CBCSWI1$ST$Pos$stVal

Siemens SIPROTEC 5

LD 名がやや異なります (Application/MeasFltControl/CB1 など)。DIGSI で export した SCL を IEC 61850 browser ツール (例: HelinKS、Triangle MicroWorks) で開き、Functional Constraint (FC) と正確な path を確認してから登録してください。


よく使う運用パターン

パターン 1. 変電所モニタリングダッシュボード

IED 1 台あたり主要測定 7〜10 点のみを polling — それ以上取得したい場合は本格的な reporting (BRCB) が必要になるため、polling 段階では timecycle 1〜5 秒 を推奨します。

パターン 2. trip イベントの検出

PTOC1$ST$Op$general (boolean) の変化を検知してアラームを送信します。PlantPulse 側での「前回値との差異」比較は 異常値通知ノード/イベント を参照してください。

パターン 3. レポート用の積算値

総有効電力の積算 (MMTR1$MX$TotWh) は累積値です。表示側で差分から日/月の使用量を算出します。


次のステップ

  • IED の SCL ファイル (*.icd / *.scd) を入手すれば、すべての LD/LN/DO/DA が正確に把握できます。
  • 本格的な GOOSE / Reporting が必要な場合は 開発チームへ別途お問い合わせ ください。
  • 高度な設定 — REST API の IEC 61850 例を参照してください。